  
カルチャーの融合
〜ぶつかり合いが生むパワーと、その成果〜
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株式会社オイシックス
取締役副社長
福井栄治氏


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オイシックス株式会社となって、3ヶ月。 現在オイシックス内には、吉田氏のように学生からコーヘイで働き、そのままオイシックスに残った社員。高島氏のように、学生時代にベンチャーを経験し、一度既存企業に就職した後、再びネット業界に戻ってきた社員。そして、福井氏のように、既存企業から、突然ネットの業界に入ってきた3パターンの社員が混在している。
「ほんと、混乱するんですよ。まぁ、あえてそうしたところもあるんですけど・・・面白いですよ」。
高島氏は、現状が混乱していることを、意外にも素直に認めている。それどころか、面白いと。
「いろんなカルチャーがぶつかって。そのぶつかりで、プラスのエネルギーにするか、マイナスのエネルギーにするかっていうのが、非常に大きい。そのプラスのエネルギーに換えるのってやっぱり、"共通の目的意識"になるんじゃないですかね。それがあるから一緒にやってる。共通の目的意識に向かって意見が違うってことは、良いことなんですよ。意見が違う人がぶつかった方が、より良いモノがあがる。だから、あえて、そういう状態にしてるところはありますよね」。
共通の目的意識が重要。当たり前のことのようだが、同社では、その当たり前が実際に会社を支え、力を生み出している。
「あとは、純粋に"ぶつかる"ってことだと思う。遠慮せずにね。ぶつかって本音で話してということを、早い段階でするのも、非常に重要だと感じてます」。
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実は、すでにその成果と思えるものが、いくつか生まれている。
今年の9月から始まった、牛乳屋や、酒販店を通じたオフラインでの流通チャンネルも、その一つ。具体的には、毎週有機野菜や、こだわり野菜といった商品をパンフレットに掲載。それを牛乳屋や酒屋の配送時に配布してもらい、受注、配送を代行してもらうのだ。そもそもこの事業は、昨年6月に、福井氏が日商岩井で始めたもので、今年の9月から、完全にオイシックスの事業として移管された。
「有機野菜とかこだわり野菜というのは、情報提供が不可欠なんですよ。量販店で商品を並べただけでは、どうしても"なぜこの大根が他の大根より値段が高いのか?"を、説明できない。確かにネットというのは、大きな可能性を秘めたツールです。でも、ネットに接続できない人は、どうすれば良いのかを考えた。そうすると、地域と密着した牛乳屋さんとか酒屋さんというのは、非常に有効だったわけです。我々としては、まず、お客様との接点を増やしたかった。配達と集金の時が唯一その接点なんですよ」。
福井氏の思いは、「ネットに接続していない人」を常に大きく捉えている。だから生まれた発想であるし、それが結果的にオイシックスに対して、絶妙なバランス感覚をもたらしているのだ。実際に、この地域に密着したオフラインでの販売と、ネットによるオンライン販売が両輪となって、現在のオイシックスの収益を支えている。
「やっぱりネットへのこだわりはありますよ。私は、ココでしかビジネス経験がないですから。ネットとかベンチャーとか全然はやってない時からずっと見てきた。だから、最近マーケットで言われるように、"BtoCは駄目だ"とか聞くと、辛いし、寂しい。もっとも、インターネットは絶対に残るんですけどね。でも、ほっといたら残らないのも事実です。だからこそ残るモノにして行かなきゃいけないし、そういう意味でも、BtoCへの思いというのはすごく強いです」。
高島氏個人としての、ネットに対するこだわりは、限りなく強い。それでも、同氏はこう付け加えている。
「でも、メンバーは、みんなBtoCが好きで、"普段の生活に深く入りこんだことをやっていきたい"という思いがあるから、一緒に会社をやっている。その実現のための手段は、リアルだろうが、バーチャルだろうが、もちろんこだわらないですよね。とにかく最終的には、みんなが、ハッピーな食生活を送れるようにしたいんです」。
取材を終えたあと、福井氏はこうつぶやいた。
「オイシックスは、もう食品会社になったんです。でもどうしても、ネット企業という意識がまだ高いんですよね」。ともすれば否定的とも捉われがちな発言も、筆者には、頼もしく響いた。
それは、「とにかく、みんなが豊かな食生活を送れるようにしたい」。という同氏の言葉を聞いた後だったからだし、その言葉に、カルチャーを越える"共通の目的意識"が、ハッキリとみえたからに他ならない。
リアルとバーチャル。ベンチャーと既存大手企業。"スピードとパワーの若者"と"経験豊富な熟練者"。そのカオスが巻き起こす、これからの「変革」に、多大なる期待を抱きたい。そう、できれば"面白がりながら"。
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